LECTURE

高校特別文化講演会 日本生命保険相互会社卓球部監督 村上恭和氏

2017/03/20

金銀銅合わせて過去最多となる41個のメダルを日本にもたらした、昨年8月のリオデジャネイロ・オリンピック(以下、リオ五輪)。なかでも、手に汗握る熱戦で大きな興奮と感動を呼んだ競技のひとつが卓球でした。石川佳純(かすみ)、福原愛、伊藤美誠(みわ)の3選手が銅メダルを獲得した女子団体戦では、勝利の歓喜に沸く選手たちの側にピタリと寄り添った卓球女子日本代表監督の姿を覚えておられる方も多いことでしょう。

3月11日(土)、その前卓球女子日本代表監督だった村上恭和(やすかず)氏を本校にお迎えし、特別文化講演会を開催。高1・200人、高2・200人の在高校生全員を前に、村上氏は「勝負はすべてミッションから始まる」とご自身の著書と同じタイトルの下、貴重なお話をご披露くださいました。

講演の冒頭ではリオ五輪女子団体戦の様子を映像で流され、石川・福原・伊藤3選手の素顔をご紹介。聴く者が「あの名場面」と選手たちへの親近感を持ったところで、話題をご自身のこれまでにチェンジされました。

中学で卓球を始め、以後大学・社会人に至るまでの間ずっと選手として卓球に関わり、活躍してこられた村上氏は、30歳で指導者になりたいと会社を退職。大阪で町の卓球場のフリーレッスンコーチとなり、そこで運命の日本生命入りするチャンスを掴まれます。

卓球部監督としての1年契約でしたが、当初から「日本一になるには6年間はほしい」と自ら条件を出され(最初のミッション)、その6年後には奇跡的な優勝を果たして、日本生命を見事日本一に。しかし、この6年目には挫折もありました。タクシー乗車中の事故による大怪我が原因で、コーチとしての指導法を変えざるを得なくなり、従来のマンツーマンからミーティングや対戦相手の戦力分析に重きを置く指導に変えたことが、チームの奇跡の優勝に繋がったと話されました。

翌7年目にはトラブルによるストレスから急性肺炎を患われ、卓球を辞めようと思われたことも。しかし、そんなピンチの時期に読まれた一冊の本(「成功への情熱 PASSION」稲盛和夫著)が考え方を変えるきかっけとなり、以後は「日本卓球界全体をどう発展させていけばよいか」と大局的な見地から再び卓球に携わられるようになり、現在に至る活躍をしてこられました。 当日は、ロンドン・リオの両オリンピック大会での「ミッション」とそれらの解決・成功までの道筋、選手のモチベーションを上げるための方法等、講演会ならではの秘話もふんだんに。最後には「人間万事塞翁が馬」(中国の故事、人生は何が成功で何が失敗かは終わってみなければわからない)を座右の銘として紹介され、本校生たちには「人生の結果は考え方で決まる。挑戦的なミッションを自らつくり、悔いのない人生を」とエールを送ってくださいました。

終わってみればとても具体的で実戦的なお話の数々に、本校生たちの将来にも的確な道しるべをいただいた講演になりました。

なお、当日は3.11にあたり、会場の小寺ホールでは講演前に聴講者全員で黙祷を捧げました。