LECTURE

パラリンピアン 佐藤真海氏 特別講演会

2016/02/22

2月20日(土)、パラリンピアンで2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会のプレゼンターとしても活躍された佐藤真海氏を本校へお招きし、小寺ホールで特別講演会を開催しました。

佐藤氏は早稲田大学在学中の2001年に骨肉腫が発症し、翌年には右足膝以下を切断。しかし、懸命のリハビリテーションを続けられながら、その後は中学・高校と選手だった陸上競技でパラリンピック出場を目指され、走り幅跳び競技で2004年アテネ大会9位、2008年北京大会6位入賞、2012年ロンドン大会でも9位と見事に3大会連続出場を果たされました。また、2013年には国際パラリンピック委員会(IPC)世界選手権大会で銅メダルを獲得され、現在は会社員と競技選手そして育児までもを両立されながら、障害者スポーツの理解と支援を広げる活動に取り組んでおられます。

講演は「夢を跳ぶ」の演題の下、中学校生徒全員を前に始まりました。

前半では、小学生の時に水泳のコーチからいただいた「気持ちで負けない強い選手になれ」の言葉や、中学時代に陸上競技に転向し、勉強でも頑張ろうと「文武両道」に努めたことが今の自分のベースになっていること。骨肉腫で右脚を失い、失意のどん底にあった頃にお母様からかけられ、「私なら乗り越えられる」という今の佐藤氏の信念に繋がっていった言葉、「神様は、その人に乗り超えられない試練は、与えないんだよ」。そして、義肢装具士さんとの運命的な出会いとパラリンピック出場を果たされるまで…。

障害を負われ、再起を果たされるまでの佐藤氏にはつねに周囲にたくさんの人々がいて心震わせられる「言葉」があったことを、佐藤氏はひとつひとつの言葉を選びながら丁寧に語られました。

後半でも、パラリンピックは人間の持つ可能性を教えてくれるとして「自分を信じて、限界のふたを外しましょう!」。2020年東京大会では「大切なことは、ハンディキャップも、ライフステージも、人種も、国籍も関係なく、すべての人に対しての『まなざし』を持つこと」など、より広く深い視点に立った佐藤氏の魂のこもったメッセージが発せられました。

わずか1時間足らずの講演でしたが、聴講させていただいた本校中学生にとっては、特に佐藤氏の10代のお話はリアルな説得力を伴って、彼らの心の奥深くまで響いたのではないでしょうか。

苦難の道を乗り越え、また新たな目標(2020年東京大会トライアスロン競技出場)へと歩み出された佐藤氏。触発された本校生からも障害の有無とは関係なく、将来こんなに感動的な講演ができる人材が出てくることを期待します。