12月12日(金)3・4時間目、佛教大学社会学部花元彩先生をお招きし、進路講演会を実施しました。佛教大学社会学部には「現代社会学科」と「公共政策学科」があり、公共政策学科では法律・政治・経済といった幅広い領域を学ぶことができます。花元先生はその中で法学分野、とくに民法をご専門に研究されています。先生の専門的分野のお話を交えながら、これから未来をつくっていく中学生へのメッセージとして、大変熱いお話をいただきました。
講演では、日常の売買など身近な例を取り上げながら、法学は特別な世界の話ではなく、私たちの生活のすぐそばにあるものだとわかりやすく伝えてくださいました。また、人は生まれた瞬間から権利能力を持つこと、意思表示には責任能力が伴うことなどの基本的な考え方にも丁寧に触れられました。そして、子供の権利を尊重するために作られた「こどもまんなか こども家庭庁」の話を挟みながら、社会全体が子ども一人ひとりの声を大切にしようとしている流れについても紹介されました。 そのうえで、日常の中にある疑問に気づき、声に出していくことが社会を動かす一歩になるのだと語られ、文系・理系に関わらず誰にでもできる大切な姿勢であると強調されました。
さらに、自ら行動し経験を積み重ねることによって選択肢が広がり、そこから夢や希望が生まれるというメッセージも届けていただきました。講演のなかでは、『鬼滅の刃』の炭治郎、煉獄、無一郎の言葉も引用され、生徒たちに、今を大切にすること、目の前の小さな目標から取り組むこと、責任をもって発信し行動することの大切さを熱く語られました。「ことばが行動になり、行動が習慣になり、習慣が人格になる」という印象的な言葉は、多くの生徒の心に深く残ったようです。
また、花元先生のゼミ生の動画も紹介されました。家業を継ぐため厳しい世界に飛び込んだ人、勉強一筋の学生生活を経て夢を見つけプロボクサーとなった人、ハンデを抱えながらも警察官の夢を実現させた人など、それぞれの人生の歩みが語られ、生徒たちは先輩方から大きな励ましと刺激を受けていました。

学びには多様な分野や入り口があり、学部や学科の名前だけでは語りきれない広がりがあります。だからこそ、「何を学びたいか」「どんなことを知りたいか」「将来どのような研究や仕事につなげたいか」を大切にし、中学生のうちから少しずつ自分の進路や生き方について考えていってほしいと思っています。今回の講演会も、そのきっかけになればという思いで企画したものです。これから経験するさまざまな進路イベントが、皆さんの5年後、4年後、3年後の進路選択や進路決定の支えとなることを願っています。