物理部には高校生16名と中学生32名が所属しています。サッカーロボットを制作し、全国大会にも出場しています。※部員数は2019年6月1日現在。

【近年の実績】

ロボカップジュニア・ジャパンオープン2019和歌山(全国大会)
NIPPON League サッカービギナーズ 優勝 物理部チーム「つゆくさ」
World League サッカーLight Weight 決勝リーグ進出 物理部チーム「金剛」

三田学園物理部チーム「ロボタソ堂」中津川大会の報告

2017.04.12 物理部

三田学園物理部チーム「ロボタソ堂」中津川大会の報告

 

~前回のあらすじ~

三田学園物理部チーム「ロボタソ堂」(以下ロボタソ堂と表記)は2月に尼崎で開かれたロボカップジュニアジャパン阪神ブロック大会(ロボットを利用したサッカー)で優勝。

そして、舞台は兵庫県から岐阜県中津川市へ移り・・・。

 

~こんにちは!物理部です!~

今回のブログでは前回の続き、つまりロボカップジュニアジャパンの全国大会についてです。

今回の全国大会は岐阜県中津川市で開かれました。

僕たちチームの流れは次のようになっています。

〔3月24日〕中津川到着・受付・ロボットの調整

〔3月25日〕本戦リーグ1日目

〔3月26日〕本戦リーグ2日目

今回は、ロボカップジュニアジャパン中津川大会を深く掘り下げて話していきたいと思います!

 

~決戦の場、中津川へ~

3月24日午後2時15分ロボタソ堂は中津川市に到着しました。今回の全国大会は中津川市にある東美濃ふれあいセンターで開かれました。僕たちが参加するのはWorld League Soccer Light Weightです。

ロボカップジュニアには大まかに分けて日本リーグとワールドリーグの2種類があります。この二つには、日本リーグの場合ジャパンオープンが頂点で世界大会への選抜は行わない、ワールドリーグの場合は上位チームを世界大会へ推薦する、つまり頂点は世界という明確な違いがあります。そして、ワールドリーグの中にはLight Weight と Open の2つのサブリーグがあります。Light Weight と Open の違いは簡単に言うと重さが違うということです。当然、重さが違うと必要なエネルギーも違うのでこの二つのサブリーグには他にも違いがあります。この違いは制限となり、この制限を守らないとロボットを動かすことはできません。正確に言うと、Light Weight には1.1kg以下 Open には 2.4kg以下 という制限です。24日(調整日)はそのような制限をしっかり守っているか、またロボットの安全性は保たれているかを見る車検があります。車検に通らないロボットは動かせないので、車検に通ることが今日の第一目標といえます。しかし、ロボタソ堂が車検に通ったのは閉館20分前の午後5時30分のことでした。

一回目の車検はハンドルが長く、規定の半径からはみ出るという理由でダメになってしまいました。また、並んでいた人が多かったことや二機同時に持っていくことなどがタイムロスにつながってしまい、焦りを生むことになりました。そのせいか、二回目の車検はロボットに間があり、ロボットの中にボールが入ってしまうという理由で再び没に。

しかもまた、二機同時に持っていくという失敗を繰り返してしまい、ますますタイムロスをしてしまいます。そして三回目でやっと車検に合格しました。

しかし、合格したから喜べるというものではなく、肝心の動作確認が全くできなかったという大きな痛手を食らいました。

~追伸~その後ホテルでも作業、就寝は深夜12時になりました。

 

~大会2日目~

ついに本戦リーグが今日から開始しました。全国大会ということもあってレベルの高い相手と戦う機会が多くありました。今大会は最初と次の試合を抽選で決め、その試合の結果を受けて順位を決めることで次の試合の組み合わせを決めるという変則スイス方式で行われました。また、大会は二日にわたって行われその勝敗と得失点差によって最終順位を決めます。はたしてロボタソ堂はどのような勝負を繰り広げたのでしょうか?一試合ずつ迫っていこうと思います。

 

<第一ラウンド>

ロボタソ堂 VS ファイターEX

第一ラウンドは一台故障の状態から始まるという波乱の幕開けになりました。しかし、不調なのは相手も同じようでこちらのチームが順調に点を稼いでいきました。最終的に点差は7点まで開き、7-0でロボタソ堂が勝利しました。

 

 

 

<第二ラウンド>

ロボタソ堂 VS NTK

前回と同じく一台故障の状態からスタートしました。さらにもう一台すらも前半途中で故障してしまい、前半だけで0-4と大差をつけられてしまいました。結局最後まで故障が治ることはなく、0-10で大敗北を喫しました。

 

 

<第三ラウンド>

ロボタソ堂 VS Antique&Rex

今回は二台の状態からスタートしましたが、以前阪神ブロックの時のような本調子には届かず。相手のボールチェイスにもついていくことができず、球際での競り合いに完全に負けてしまい、点差をじわじわと広げられていきました。更に部品が紛失するとアクシデントもあり、最終的に1-8と敗北しました。

 

 

<第四ラウンド>

ロボタソ堂 VS create

大差をつけられた第二第三ラウンドでしたが、トーナメント方式のこともあり実力が近い相手と当たりました。力は拮抗しあい、ボールチェイスも互角。前半は双方に点が入らないという結果になります。後半では、相手チームのロボットが両方アウトオブバウンズ判定(ロボットがコートと決められたラインから出ること。判定を食らうと退場となり、20秒試合に出ることができない。)を食らうという大チャンスもありましたが、活かすことはできませんでした。逆にこちらがピンチになった際に反撃を食らい、最終的に0-2で負けました。惜しい試合でした。

 

 

<第五ラウンド>

ロボタソ堂 VS  R.S.P

再び一台故障からのスタートとなりました。それでも前半はなんとか一点リードの状態で終了することができました。しかし、後半からは流れが悪くなり、あっという間に逆転を許してしまいます。さらに、もう一台も故障するといったアクシデントも起こり、結果は1-4。今回含めて4連敗という辛酸をなめる結果となりました。

 

 

<第六ラウンド>

ロボタソ堂 VS とろりー

今回は二台スタートと、幸先(?)の良いスタートとなりました。前半も順調に点を稼ぐことができ、二点差まで広げることができました。さらに、後半でも点を稼ぐことができ、最終的に6-1と勝利を収めることができました。

 

 

「25日の結果」

二勝四敗とかなり厳しい結果となりました。この時点での順位は50位です。やはり、前日の調整日に動作確認ができなかったのが響いているという印象を受けます。また、得意技のS字ドリブル(通称:三学ドリブル)とスピンシュート(通称:三学シュート)が動作せず、原因も全くわからない状況、明日の最終日はかなりハードになることが予想される一日となりました。しかし、上位進出が望めないことがほぼ確定した中でも、明日こそは得意技のS字ドリブル(通称:三学ドリブル)とスピンシュート(通称:三学シュート)を決めるという決意をもとに会場を後にしました。メンバーの中で誰一人、下を向いている者はいませんでした。

 

 

「交流会」

ところで皆さん、ロボカップ大会の趣旨を知っていますか?正解は技術をほかの人と交流し、更なる技術の発展につなげることです。なので25日の最後にはほかの選手と交流するのを目的とした交流会が開かれます。

この時だけは選手たちは敵同士ではなく同年代の友達となります。チームメンバーの中には、これからも情報交換をするために連絡先を交換する人もいました。

 

~大会3日目~

いよいよ競技や全国大会の最終日がやってきました。泣いても笑ってもこの日で終わりになります。物理部の最終順位は?得意技のS字ドリブル(通称:三学ドリブル)とスピンシュート(通称:三学シュート)を決まったの?何か賞をとったの?などといろいろ気になることもあるでしょうが最後まで付き合ってくれると幸いです。

 

<第七ラウンド>

ロボタソ堂 VS いぬロボ

二日目最初の戦い、なんと不戦敗でした!試合を始める際に不可欠な車検シート(車検に通った証。これがないと試合を始めることができない。)を忘れてしまい、試合を始めることができず。最終的に前半で五点差(試合を始めることができない場合時間が経過するごとに相手に得点が入る。前半に五点差がつき、なおかつロボットも動かせないようなら負けになる。)になり、コールド負けとなりました。

 

 

<第八ラウンド>

ロボタソ堂 VS KORRDET

残すところ三試合となったこの試合。前々回に比べて調子が上がってきましたが、依然ゴールをうまく決めることができずに前半で二点差がつきます。最終的に点差を覆すことはできず、2-5で敗北しました。しかし、相手の実力や自分のロボットの不調のことを考えると、初めてのまともな試合だったかもしれません。

 

 

<第九ラウンド>

ロボタソ堂 VS チーム雷都ニング

段々ロボットの調子が上がってきたロボタソ堂、敵の不調も相まり前半で六点もの差をつけました。その勢いのまま後半に突入し、順調に点を重ねました。最終的には点差は12点にも開き、12-0で大勝利でした。※得意技のS字ドリブル(通称:三学ドリブル)とスピンシュート(通称:三学シュート)は決まらず。

 

 

<第十ラウンド>

ロボタソ堂 VS CAST

いよいよ最後の試合!前回の試合のまま勢いづき前半は一点リードの状態で終了します。

後半では一台故障するアクシデントも発生しましたが、相手がアウトオブバウンズ判定をかなりくらっていたこともあり、最後まで逆転されることはなく6-3で勝利を収めました。

勝負には勝ちましたが、得意技のS字ドリブル(通称:三学ドリブル)とスピンシュート(通称:三学シュート)は最後まで不具合の原因が特定できずに決められず。今回の大会でこの技を披露することを一番の目標にしてきただけに悔しさが残ります。

 

 

「閉会式(結果発表)」

いよいよ二日続いた大会も終わり、最後に閉会式が開かれました。ちなみに、閉会式の前にロボタソ堂の順位は発表されましたが、41位とあまりふるわない結果となりました。ですが、まだ表彰式にはベストプレゼンテーション賞(各チームは自分たちのチームのことが書かれたプレゼンテーションシートの提出が義務付けられる。しかし、ロボタソ堂は横書きという規定と異なり縦書きで提出してしまった。)が残っています。正直ミスがあったのでゼロに近い確率ですがそれにかけるしかないとチームメンバーのだれもが思っていました。しかし、結果は残念ながら別のチームに…。チームメンバーの誰もが憔悴し、落ち込んでしまいます。しかし、本当に最後の最後でロボタソ堂は新しい技術の開発に積極的に取り組んだチームに贈られる特別賞(中津川市商工会議所会頭賞)を受賞しました!!これは、基板を一から作る(ほかのチームは作られた基板を使っている。)ことやS字ドリブルやスピンシュート(ほかのチームはキッカーと呼ばれるゴール専門の装備をしていた)といった他のチームがやったことのない技術に挑戦したことが評価されてのことだと思います!(S字ドリブルからのスピンシュートは試合では決められなかったが、練習コートでは何度か決まっていた。審査委員の方がそれをしっかりとみて下っていたのだと思います。よく見ていてくださって感謝です!!)

 

 

「謝辞」

最後に、今まで支えてくれた部員のみんなや保護者様、これで本当に終わりです。ありがとうございました。また、最後の最後まで見てくださった顧問の増田先生や大会運営、ボランティアの皆さんにも感謝の限りです。そして、戦いの行方をブログを通して最後まで見てくださった貴方、本当にありがとうございました!これで、三田学園物理部チーム「ロボタソ堂」中津川大会の報告を終わらせていただきます!