LECTURE

中学特別文化講演会 文部科学大臣補佐官 鈴木 寛氏

2017/08/01

「自分で未来をつくること」が大事な時代

 

今、47%の仕事がなくなると言いましたが、君たちはどんな仕事がなくなり、残るのか、隣の人と話し合って3つずつ挙げてください。(会場内話し合う)

まず、なくなる仕事は?(会場内の生徒からレジの店員、コンビニの店員、ビルの清掃員の意見が上がる) ほお。

では、残る仕事は?(会場内の生徒からロボットの製作者、菓子職人、ユーチューバー等の意見が上がる) なるほど。

スクリーンを見てください。まずは、なくなる仕事。事務員、公務員、銀行員、清掃員…たくさんありますね。

では、残る仕事は…アートディレクター、犬の訓練士、デザイナー、演奏家、工業デザイナー、コピーライター、歯科医、ソムリエ、料理研究家、漫画家、中学校教員も(笑)!三田学園の先生、ご安心ください(拍手)。

これらは英国オックスフォード大のマイケル・オズボーン准教授と野村総合研究所の予測であって、必ずしも正解とは限りません。もしかしたら、この表に書かれていないものも含めると仕事の数は200、300とあるかもしれません。正解は2045年に君たち自身で確かめてください。

ただ、私たちが今議論しているのは芸術や歴史、哲学、神学などの抽象的なことを考える仕事は残るということ。他者と接する、人を相手にする、あるいは人の気持ちや感情に寄り添う、説得する…そうした仕事も残るだろうということです。

一方、特別な知識やスキルの要らない仕事、決められたことを決められたとおりにやる仕事はドンドンなくなっていく。代わりに、今はまだない仕事が増える。今ない仕事をつくり出すのが君たちの仕事になるということです。

たとえば、50年前、北畑理事長先生が小学生だった頃にコピーライターという仕事はなかった。ないから、当時の子どもたちはなりたいとは思わなかった。同様に、今人気のユーチューバーという職業も私の子どもの頃にはなかった。そんなことを考えると、三田学園中学生の7~8割の人は今ない仕事をつくり出す人になるのじゃないかな。未来、まして激動の時代はどうなるのかわからない。だから、一所懸命に考えるのです。

私の好きな言葉に、「未来を予測する最大の方法は、自分で未来をつくること」があります。未来を予想しているヒマがあるなら、自分がその未来をつくってしまえばいい。日本にプロサッカーリーグがあればいいのに…そう思っていた理事長先生や私は「じゃ、つくろうじゃないか」と考え、実際に自分たちが動くことでJリーグを起ち上げました。やったらできた、やれば何でもできるんです。

だから、君たちには未来をつくる人になってほしい。リスクがあっても、やればそれ以上にチャンスも生まれます。これまでは問題を解く力を身に付けることが教育でしたが、これからは問題を発見する力、設定する力がまず大事になります。設定できた問題はAIに解かせればいいのですから。でも、AIに解き方を教えるためには自分もその問題を解けなければいけないのですがね。これからの時代、確実にいえるのは「不確実なことが増えることは確実」ということです。禅問答みたいですが、わからない、予想しても仕方ない未来をどうやって新しくつくっていくかが大事なんですね。