理事長室からの手紙

BLOG

伝統校

2015/10/05

小寺校祖銅像

三田学園は、創立103年目となる伝統校です。校祖の御尊父、小寺泰次郎氏は幕末三田藩の家老で、開港した神戸に出て三宮の都市開発事業に成功した富豪でありました。福沢諭吉から神戸の将来性にアドバイスを受けたことに恩義を感じ、慶応義塾創設に多額に資金援助をされたそうです。

校祖謙吉先生も事業家であり、全国最年少の衆議院議員、戦後初の神戸市長を務められた政治家でもありました。欧米に留学、その体験をもとに明治45年に創設されたのが三田学園です。イートン校をモデルに地元の有為な人材を育てる英国式近代教育の学校でした。洒落た洋風校舎や図書館(国の有形登録文化財)は今も健在で、進取の精神溢れる学校であったことを偲ばせるものであります。

建学の理念は、質実剛健 親愛包容。「自らを飾らず、たゆまぬ努力で心身を鍛えること、温かく包み込むような心構えで他者に接すること」と教えられます。具体的には、文武両道の全人教育、即ち知育、徳育、体育をバランスよく行い、志の高い人間を育てることを教育目標としております。創立以来一貫した建学の理念があることが私学の良さです。
これまでに約2万人の卒業生を送り出しました。多くが企業、団体、官公庁などで活躍していますが、大学教授、医師、弁護士など専門職も少なくありません。今年もうれしい知らせが届きました。宅急便で有名なヤマト運輸の社長、京都の老舗企業、第一工業製薬(一部上場)の会長兼社長、トヨタの納税を担当する名古屋国税局長、兵庫県議会事務局長に本校卒業生が就任しました。今年優勝したヤクルト球団には、1軍で活躍した投手がいます。ロボットセンサー研究の第一人者の東大教授は、マイクロソフト社にスカウトされてアジア地区研究センターの責任者になりました。国の立場から見れば、頭脳流出かもしれませんが、三田学園から見ればグローバルに活躍する同窓生の誕生です。

これらの卒業生が地域、職場、卒業年次、所属クラブごとに同窓会、OB会を組織し、後輩を助け、励ましてくれます。寄付などで学校にご支援を賜ることもあります。思いがけず同窓生と遭遇しても初対面の感じがしません。三田が丘で過ごした青春の思い出を語り、共通の恩師の噂話をしてすぐに親しくなります。

多くの方に共通するのは、謙虚で堅実な人生を歩んでおられることです。各界のトップになった方でも、球界、芸能界(渡哲也、渡瀬恒彦兄弟も卒業生です。)のような華やかな場で活躍された方でも同じ印象を受けます。質実剛健 親愛包容の理念が生きているように思います。

同窓意識の強い卒業生の幅広いネットワークは、三田学園の財産です。先生方には転勤がありません。卒業後も学校に来れば恩師に会うことができます。在学中は勿論、卒業後も三田学園同窓として、先輩、後輩、恩師と交流を続けることができる。これも伝統ある私学、三田学園の魅力だと思います。