高校2年生

11th GRADE

<通信欄>

6月17日(木)清水 健氏 講演会

2021/06/25

 「6月17日(木曜) 本校小寺ホールに元読売テレビアナウンサー清水健氏をお招きして、「大切な人の『想い』とともに」というテーマで講演会を開催しました。ご存じの方も多いかと思いますが、わずか29歳で早逝された妻奈緒さんとの闘病生活を描いた「112日間のママ」、「笑顔のママと僕と息子の973日」の著者であり、現在シングルファーザーとして6歳の息子さんの育児をしながら癌撲滅、難病対策の啓発活動に取り組まれる傍ら、今という瞬間を生きていることの素晴らしさを伝えるべく全国で講演活動をされています。

 本日の講演では、妻奈緒さんとの二人三脚の闘病生活を記録した映像を交え、今日という日が在ることが当たり前ではないこと、命の輝きとその大切さ、家族や友人等大切な人と今という時間を共有できることの有り難さについて実体験を基に語って頂きました。私たちの多くは普段、自分の身近にいる大切な人(特に家族や親類)の存在を当たり前のものと捉え、その喪失に直面するまでその存在の大きさに気づかないものです。氏の「当たり前とは何なのか」「そもそも当たり前のことなんてあるのか」との問いかけに、考えたくはないが大切な人との別れがいつか確実に訪れる現実を強く意識するとともに、「死」というものを直視することを忌避している自分の姿にはっとする思いでした。この言葉に同じ思いを抱いた生徒達もきっと大勢いることでしょう。

 清水氏は講演の中で次のような主旨の発言を繰り返し述べられました。「今という瞬間が在るのは当たり前のことではない。この世には生きたくても生きられなかった人が大勢いる。どんなに不安で辛くても、今この瞬間が在ると言うこと自体が素晴らしいことなのだ。だから、今この瞬間が在ることに感謝して全力で生きよう」。加えて、「重荷になるかもしれないが」と前置きをしながらも、「頑張らなければ前には進めない」と力強く述べられました。日記や映像を通して伝わる奈緒さんの死の直前まで強く生き抜いた姿と相まって、これらの言葉は一層の重みを帯びて生徒達の心に響いたはずです。近年大ヒットした「鬼滅の刃」の炎柱、煉獄杏寿郎の心に刺さる名言「己の弱さや不甲斐なさにどれだけ打ちのめされようと 心を燃やせ 歯を食いしばって前を向け」を思わず連想してしまいました。ただ、清水氏は優しくこうも付け加えられました。「自分の周りをよく見よう。自分は決して一人ではない。自分のことを大切に思ってくれている人が必ず周囲にいる。行き詰まれば周囲のみんなを頼ればいいし、甘えればいい」と。自分で頑張りつつも肩肘を張らず周囲に頼るべき時は頼る。氏がこの6年間のシングルファーザーとしての奮闘の中で得たこの教訓にこそピンチを切り抜けるヒントが示されているように感じました。

 最後に清水氏から生徒達にこんな言葉が贈られました。「苦しい笑顔、悲しい笑顔、どんな形の笑顔でもいいから常に笑顔でいよう。それが周囲のみんなを元気づけ、幸せにするはずだから」。人生に目的や生きる意味を見いだせなくなった時は是非思い出してみたい言葉です。人生に迷ったら、自分のためにではなく、自分の大切な誰を喜ばせるために生きてみるのも一つの生き方の形なのかもしれません。大切な人のために何が出来るのか。そこに自分の生きる意味を見いだす人生も有りなのでは、と考えさせられる講演でした。